どうしようもないこと

2025.02.28(FRI)

人生においては時々、自分では「どうしようもないこと」が起きたりしますが、資産運用も例外ではありません。資産運用をする場である金融マーケットでは、近年その類の出来事が2月に頻繁に起きている気がします。

5年前(2020年)の2月、中国で発生したコロナウイルスがイタリアでも発見され、その後世界的な大流行になりました。3年前(2022年)の2月には「ロシアのウクライナ侵攻」が始まりました。そして今年(2025年)の2月、トランプ大統領再任で世界の政治経済の枠組みが大きく揺さぶられています。

さて、これらのニュースですが「私たちには、どうしようもないこと」です。
自分がどんなに努力をしても、熱意を持って状況を変えようとしても無駄なことです。
疫病を止めることもできなければ、他国の権力者の行動を制止することもできません。

一方で日本の政治については、自分が持つ1票の投票で変わる可能性が僅かながらありますし、会社経営や個々の生活も、自分自身が変わることや、その関わりの中で変化を起こせる可能性があると信じたいところです。

ところで私自身は「どうしようもないこと」が起きたとき、アメリカの神学者、倫理学者のラインホルド・ニーバー(1892-1971)の言葉を思い出すようにしています。「ニーバーの祈り」と言われる有名な言葉でご存じの方も多いと思いますが、ご紹介させて頂きます。


神よ、変えることのできるものについて、それを変えるだけの勇気をわれらに与えたまえ。
変えることのできないものについては、それを受けいれるだけの冷静さを与えたまえ。
そして、変えることのできるものと、変えることのできないものとを、識別する知恵を与えたまえ。

皆さんいかがでしょうか?

私自身は以前から、この言葉こそが「長期投資のマインドセット」として最もふさわしいように感じており、常に意識するようにもしております。

ここ2年程の株式マーケットは右肩上がりで、円安の追い風もあり、新NISAで投資を始めた人は本格的な下落相場を知りません。長期投資の成功の鍵は突き詰めると、マーケットの上昇時だけでなく下落時も含めた「投資家自身のマインドセット」にあることを、改めてお伝えしたいと思う今日この頃です。

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