2025年3月24日付の日本経済新聞に「生活保護、過半が65歳以上」というタイトルの記事が掲載されていました。昨年から当社では、中小・ベンチャー企業向けの確定拠出年金(DC)導入コンサルティングを始めたこともあってか、個人的に「老後生活資金に関するニュース」に敏感になっているような気がする今日この頃です。
【上記記事のポイントは、概ね以下のような感じです。】
①2023年度の日本の生活保護受給者数は199万人(2000年度は103万人)
②生活保護受給者の過半数は65歳以上(2023年度は53%、2000年度は37%)
③高齢無職世帯の平均支出は夫婦二人で月28.2万円(月平均3.8万円赤字)
④高齢無職世帯の平均支出は単身世帯で月15.8万円(生活保護の80%が単身世帯)
⑤生活保護を受ける65歳以上の大半が低年金(月額1万円~7万円)
以上
この数字は公表されている最新のデータですが、とは言え昨年の数字です。米の値段も今より半額だった時に集計されたデータです。2024年度は反映されていません。そして2025年度は米に限らず、光熱費やガソリン代、その他食品もさらに値上がりが予想されています。
このままの状況が続けば、人口減少の中で65歳以上が相対的に増加することも確実ですから、必然的に生活保護の受給者も増加します(予想が外れたらごめんなさいですが、そうなれば嬉しいことです)。
ところで生活保護費の金額をネットで調べると、単身者(目安10万円~13万円)、夫婦2人世帯(目安15万円~)、子育て世帯(目安30万円)、母子家庭世帯(平均20万円)となっています。さらに生活保護世帯は医療・介護サービスも無料なので、40年間頑張って国民年金を払い続けて満額(月6.8万円)受給且つ医療・介護サービスは有料という人よりも、経済面だけ見るとかなり恵まれているのは明白です。
個人的な考えではありますが、日本の生活保護制度は不正受給を除いて考えるなら、とても良い制度だと思います。しかし頑張って働いてきた国民にも同水準の生活保障をすべきだとも思います。そうするならば、最終的にはベーシックインカムの発想に行きつきますが、日本の現在の総人口を考えると難しいでしょう。さらに人口が減って、財政状況が許容できれば可能かもしれませんが、仮に実現したとしても50年以上先のことになると予想します。
生活保護を財政面からも考えてみましょう。生活保護の費用は、3/4を国が負担し、残る1/4を地方が負担していますが、生活保護費負担金(事業費ベース)は、令和4年度当初予算ベースで約3.7兆円にものぼります。おそらく今後、生活保護の財政負担は、社会保障関係費の中でも急速に比率を高めていくでしょう。要するに最低限の生活を保障してくれる「生活保護制度の持続性」も危うい状況にあるということです。
残念ながら国民の老後生活を守ってくれる最終砦とも言える生活保護制度さえ頼ることができない未来が高い確率で待っていると考えるべきでしょう。私に言われるまでもなく、若い世代の皆さんは、それを敏感に感じ取っているように思います。大変ですが自分の未来は自分で切り拓くしかない時代です。私は現在57歳の小規模会社の経営者ですが、せめて若い人たちの未来の資産形成のためにと考え、自社に確定拠出年金制度(企業型DC制度)を整備し、それに付随する金融教育サービスを提供しています。
そして自社にとどまらず、多くの中小・ベンチャー企業経営者の皆さまにも、若い社員の未来を支援できる福利厚生制度があることを知ってほしくて、企業型DCの普及に日々邁進しております。
そんなわけで、この手のニュースに敏感になっている今日この頃の私なのです(笑)。