本日NTTドコモが、インターネット銀行大手の住信SBIネット銀行を買収する方針を固めたとのこと。銀行業への進出で携帯電話事業に依存するビジネスモデルから脱却し、自社が持つサービスを相互に結び付けて「経済圏」を強化することで、顧客の囲い込みを図るのが目的のM&Aです。
本日の上記ニュースにも象徴されるように、最近の金融業界は他業界からの参入もあり、大きな変革期を迎えております。
2週間ほど前にも、三井住友FGがソフトバンクと包括提携するというニュースに驚かされました。ソフトバンクGと言えば、みずほFGとの関係が絶対的だと思っていましたのでビックリしましたが、最近はみずほFGが楽天Gと仲良くしていたので、まあ考えてみれば可能性はあったよな・・・とも思います。
まさに金融戦国時代の様相。
日本の金融業界は、これまで多くの規制に守られ、非効率な経営でもある程度儲かってきましたが、今は非効率を効率的に変えることが大きな利益を生み出すターンにきており、ビッグデータ、デジタル、AIなどの新たな技術が、それを強力に先導していくステージにいると感じます。
金融大変革の時代、そして再び金利が生まれて儲かりやすくなった金融の世界に、業種や規模を問わず金融の非効率の中に埋もれた宝を探し、色々な会社が殺到しているのが、昨今のM&Aの動きにつながっています。
一方で、金融を真に個人の人生や中小企業の経営に役立つサービスとして再定義しようとしている事業者は未だ少ないように感じます。AIやテクノロジーを活用して金融サービスを効率化できたら、確かに便利になると思います。しかし本当に個々の豊かな人生に寄与できるのか?中小企業の成長に寄与できるのか?
2000年代に普及して世の中を一変させたインターネットやスマートフォンは、資産運用の世界でもトレーディングの利便性を飛躍的に向上させました。それによって一般的な個人投資家でも、プロ並みのトレーディング環境が整い、株式の信用取引やFXや仮想通貨がものすごいスピードで拡がっていきました。しかしそれらの技術革新は、日本人の豊かさに貢献できたのか?
個人的には、「そうではない」と感じています。
だからこそ金融業もしくは金融サービスは今一度、テクノロジーではなく、人を中心に再設計しなくてはならないと考えます。その鍵を握るのは、ファイナンシャル・アドバイザーの質だと思っています。
質が高いアドバイザーを媒介に、人を中心に再設計された金融サービスと、AIやテクノロジーの進化が融合した時、お客さまにとって真に豊かさに繋がる新たな金融サービスの世界が広がってくる。その将来ヴィジョンのかたちは未だ見えてはきませんが、その方向を目指してバリューマネジメントは日々歩んでいきたいと、昨今の金融大変革の動きを見ながら、心を新たにする今日この頃です。