2026年3月の金融経済動向(中浜の視点)

2026.04.07(TUE)

米国とイスラエルのイラン攻撃で始まった3月相場でした。ハメネイ師が殺害されイランはホルムズ海峡を封鎖。原油価格が急騰。有事のドルに資金は逃避。また米国の2月雇用統計が予想を大きく下回る結果になり、スタグフレーション懸念が台頭してきました。

このままでは11月の米中間選挙で共和党は惨敗する可能性が高まっています。圧倒的なテクノロジーと軍事力を持っていても、それを正しく使うことができないなら、米国の時代の終わりがすでに始まっているのかもしれません。

トランプ大統領の一連の行動が米国の国際的な信用を破壊しているのは間違いありません。それは巡り巡って米国経済に深刻なスタグフレーションを招くことになるでしょう。そうなった場合、私たちの資産運用の環境も極めて難しい状況になってきます。

しかしインフレ経済とAIの進化を前提に未来を考えるなら、預貯金など単に安全性を求める運用には限界があります。乱世を乗り越えるレジリエンスを有する企業への投資を通じ、良質なインカムゲインを軸足に置くという投資戦略が正しい解ではないでしょうか?

米国10年物国債の利回りも昨年8月以来の高水準にまで上昇してきました。FOMCの今年の利下げ見通しは1回ですが、マーケットでは逆に利上げ確率50%以上を織り込みはじめました。原油高を起点に様々な分野で物価上昇が起こる確率が高まっています。

イラン情勢の悪化・AIディスラプションの再燃・プライベートクレジットの格下げの悪材料3本柱は、月後半になっても、悪化トレンドが収まらず金融市場はさらなるリスクオフに。

一方で割高だった株価は適正水準に、債券利回りも高くなっています。長期的に見るなら外部環境の悪化によって、投資チャンスが訪れつつあると見ることもできます。

個人的には現在の投資環境は、1973年~1975年(第一次オイルショック→ニクソン大統領辞任→ベトナム戦争終結)の状況に類似しているように感じています。その時、どのような投資手法が有効だったか?約50年前の歴史を振り返ってみるのも悪くないでしょう。

【2026年3月の注目ニュース】

3/1 2/28に米国とイスラエルがイランへの攻撃を開始
3/2 米国とイスラエルにイラン最高指導者ハメネイ氏が殺害される
3/3 イランがエネルギー輸送の要衝であるホルムズ海峡を封鎖
3/4 ブラックストーンのプライベートクレジットファンドの解約請求が急増(株価9%安)
3/6 今週に入って「有事の金」と呼ばれる金が下落し「現金が王様」の様相
3/7 米2月雇用統計は前月から9.2万人減少(予想5万~6万人増加)過去分も下方修正
3/7 「SaaSの死」懸念から下落していた米ソフトウェア株、買戻しが優勢に(2月末比7%高)
3/12 昨年末の3メガバンクの法人預金は220兆円と同年3月末比で4.5%減少(投資や運用へシフト)
3/13 ホンダの2026年3月期の連結最終損益が6900億円の赤字へ転落(EV見直し)
3/13 11日トランプ政権は相互関税の代替措置で16カ国を対象に「過剰生産への制裁」を検討
3/13 12日スマホ決済PayPayがナスダックに上場(初値は公開価格を上回り、時価総額121億ドル)
3/18 中東情勢緊迫で、世界的に素材や資本財関連の株式が大きく下落
3/18 カナダの2つの大手公的年金(運用資産計150兆円)が日本株買い増し(米資産への偏重是正)
3/18 オーストラリア中央銀行は2会合連続の利上げに踏み切る(0.25%利上げで4.1%へ)
3/18 2025年末時点の日本個人金融資産は昨年末比5.3%増の2351兆円に(株高で最高更新)
3/18 米ウォール街の機関投資家予想「米国が1年以内に不況になる確率が50%超に」
3/19 18日のFOMCは2会合連続で据え置き、利下げは年内1回予想維持(FRB議長、原油高懸念)
3/20 インフレ再燃で各国の中銀動けず(日銀もECBも金利据え置きで様子見)
3/24 イラン攻撃後の供給懸念でエネルギーや農業関連銘柄、また防衛関連株に資金が集まる
3/25 米投資会社バークシャーが東京海上HDに2874億円出資(バフェット退任後初の大型案件)
3/25 豪州レアアース株が急騰(世界的な脱中国依存が追い風に)
3/25 中東情勢の緊張を受けて南米産油国は増産投資に動き出す
3/26 米格付けムーディースがAIデータセンターのリース契約でテック企業の隠れ負債に警鐘
3/26 米裁判所が未成年のSNS依存をめぐる訴訟でメタとグーグルに責任と評決
3/27 OECDが今年のインフレ率予測を1.2%上方修正して4.0%とした
3/27 S&P500の予想PERは1年ぶりに20倍割れ(過去10年平均19.2%に接近)
3/28 原油高、米金利上昇を受け、1ドル160円台に下落、NY株も2/10高値から10%下落
3/31 世界の金利上昇で、日本の銀行の国債含み損や米国のノンバンク融資焦げ付きに警戒感高まる
3/31 日経平均は一時2800円安(終値は1487円安の5万1885円)、業績下振れ警戒で5万円割れの予想も
3/31 NY原油先物は3%高の1バレル102.88ドル(イラン攻撃後終値ベースで初の100ドル超)

【世界投資地図(年初来騰落率)】

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