2026年5月の金融経済動向(中浜の視点)

2026.06.11(THU)

5月の金融市場は日本政府・日銀の円買いドル売り介入からスタート。円ドルレートは160円から155円まで一気に円高が進んだが、終わってみれば159円台まで戻りました。月間の介入額合計が約11.7兆円と過去最高規模だったことを考慮すると、逆に市場の円安圧力の強さを示しただけだったのではと危惧します。

債券市場では、イランのホルムズ海峡封鎖による原油高と世界的なインフレ、日本国内では補正予選編成に伴う財政悪化が意識され、長期金利は上昇傾向。日米欧の金融当局は次回の決定会合で利上げも視野に。債券価格は全体的に弱含み。

一方で株式市場は国地域、業種で強弱はあるが、全体的には1-3月期の業績が好調で強含み傾向。特に米国株は代表3指数とも新高値更新。特にテック大手の巨額投資の恩恵を受けるAI・半導体株の業績と株価上昇が凄まじい勢いです。半導体メモリーの供給を担う企業が存在する台湾、韓国、日本の株価も急上昇。

一方でそれらの業種が少ないインドや欧州地域の株価は低調。来月以降、スペースX、アンソロピック、オープンAIなどAI関連のメガIPOが控えており、投資資金が超大型株式に吸収される傾向はまだまだ続きそうです。

AI関連以外については見捨てられている感があり、長期的には、小型株や割安株を狙う逆張り投資家に大きな投資チャンスがきているのかもしれなません。「人の行く裏に道あり花の山」という相場格言がありますが、果たして現在低迷している株式の反発はあるのでしょうか?

トランプ大統領もAI・半導体関連株を大量購入してウハウハのようですが、11月の米中間選挙が終わる頃には新たな予想もしないような展開を迎えているかもしれません。

【2026年5月の注目ニュース】

5/1  4/30の外為市場で日本政府・日銀が為替介入を実施(円ドルレートは一気に5円程度円高に)
5/1  米1-3月GDP+2%(AI投資堅調、個人消費減速)ユーロ圏1-3月GDP+0.6%(インフレで減速)
5/1  MS・アマゾン・グーグル・メタの4社の2026年AI投資は前年比76%増の年116兆円(異次元)
5/2  米半導体株指数(SOX)が4月単月で38%上昇(日経半導体指数も36%高)
5/7  中国企業3年連続の減益(不動産不況で小売りなど内需不調、鉄鋼・半導体など外需は好調)
5/8  不動産価格の上昇で上場企業の事業用不動産の含み益が20兆円規模に(売却圧力増す)
5/8  AI・半導体関連株が好調で世界株堅調(韓国のサムスン電子の時価総額が1兆ドルへ)
5/8  米S&P500の1-3月期の一株当たり利益は27%増になる見通し(年初予想は13%増)
5/9  日本の企業年金「確定拠出(DC)が確定給付(DB)を上回る」(中小企業も導入へ)
5/9  米4月の雇用統計は前月比11.5万人増(予想は5-7万人増)
5/13  4月の米CPIは前年同月比+3.8%(ガソリン高騰で3年ぶりの伸び)
5/13  日本企業の海外直接投資は2025年33兆円とな2年連続過去最高更新(海外志向鮮明)
5/13  インドのモディ首相は原油高を受け、今後1年間の海外旅行自粛や在宅勤務を呼びかけ
5/13  アマゾンやアルファベットの1-3月期増益分の7割が本業以外のAI投資収益(強まる資金循環)
5/14  AI相場に乗れない国内IT(NEC・富士通の株価は昨年末比2割安)
5/15  AIブームで世界の半導体大手5社の今期純利益は前年比5倍の63兆円になる見通し
5/16  自動車大手7社の今期純利益合計は3.9兆円で2024年度比で半減
5/19  日本の1-3月期GDPは年率2.1%増(名目GDPは2025年度+4.2%で過去最高670兆円)
5/21  米30年債利回りが5.19%まで上昇(インフレ・財政警戒で2007年7月以来の水準)
5/21  日本のIPO市場への関心が薄れ14社中8社が公開価格下回る(個人投資家は大型株へ)
5/21  米エヌビディア5-7月期は前年同期比95%増収(純利益3.1倍で自社株買い800億ドル)
5/22  スペースX(6月公開)、アンソロピック、オープンAI(年内)のAI3強にマネーが集中か?
5/23  5月東証プライム市場の1日の平均売買代金が10兆円超(海外マネー主導で昨年の2倍)
5/23  22日米FRB議長にケビン・ウォーシュ氏が就任(FRB改革志向に)
5/26  高市首相は25日、3兆円規模の補正予算案を編成すると表明(中東対応)
5/26  2026年3月期の日本企業決算はAI関連や金融が好調、関税で自動車が不調
5/27  6月から日本のREITによるデータセンター投資の規制が緩和される
5/29  26日、米S&P500は2週間ぶりに最高値更新(イラン戦争終結期待で原油と金利が低下)
5/29  米4月の消費支出物価(PCE)は3.8%上昇と3年ぶり高水準(ガソリン高で米家計の貯蓄率低下)
5/30  NY株、連日最高値更新(IBM、セールスフォース、マイクロソフト等が上昇)

【世界投資地図(年初来騰落率)】

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