AI時代を勝ち抜くために

2018.07.20(FRI)

現在、日本経済新聞で「データの世紀」という特集記事が組まれており、興味深く読んでいます。

そこでは個人の嗜好や健康状態等の膨大なパーソナルデータを人工知能(AI)が解析することで、特定された個人の購買意欲を喚起する精度の高いパーソナル広告が作り出されている現実が書かれています。

そのことを記事では「私が奪われる!」という言葉を用いて警鐘を鳴らしています。

私もその現実に一種の不気味さを感じつつ、一方で個人データをグーグルやフェイスブックやアマゾンに売ることで(彼らはそれをお金に換える)生活の利便性を得ている。そう割り切るしかないとも感じています。

フェイクニュースを使った政治利用等は大きな問題となり、規制の必要性も高まっていますが…、大きな流れは変わらないでしょう。広告業界だけでなく、様々な分野でAIが活躍する時代になったのは確実です。

これからの仕事を考えた時(個人・会社に関わらず)「AIを味方につけるか?それともAIに駆逐されるか?」それが問われている時代と言ってもいいかもしれません。

そんな時代に対応すべく「AIを味方につける条件は何か?」と考えてみた時、それはその会社(もしくは個人)が「質が高い情報を保有しているかどうか?」そこがポイントになってくるかと思います。

「質が高い情報とは何か?」それはフェイクニュースではない「本当のこと」です。

AIは膨大な量の情報(ビッグデータ)をインプットして、過去のパターンを推測した上で、未来を予測しながら最適なアウトプットを出していくことは得意です。

しかし今後はおそらくAIとAIの対決になってきますので、その際に「質が高い情報(本当のこと)」をインプットさせることが最重要ポイントになってくると思います。要するに「情報の質が勝敗を分けるフェーズ」に入ってきたということです。

質が高い一次情報を取得すること。あるべき未来を想像してヴィジョンを描くこと。

私はこの2点についてはAIにできない部分だと思うので、人間はそこをさらに強化し、その他はAIにやらせるという関係性が最強だと考えます。

「質が高い情報」を企業価値の向上に結び付けている会社の一つとして、私も注目しているのが東証一部の大和ハウス工業(本社大阪)です。同社の主力事業は、今や住宅(ハウス)ではなく、その他の物流施設、店舗、ホテル等に変化しました。

しかし業態の変化に関わらず、同社の成長を支えているのは、長年の営業活動を通じて取得してきた(汗水流して調査をして)質量ともに充実した地主情報です。

例えばある小売企業が店舗を出店したいと思った時、どこの地主に話を持っていけばいいか?同社に聞けば迅速に答えが返ってくると聞きます。これからも同社が持つ「質が高い一次情報およびそれを取得する営業力」は、AIの活用との相乗効果によって最大限パフォーマンスを発揮していくのではと思います。

ところで、質が高い一次情報を得るには、やはり信頼というものがベースになくてはなりません。よってAI時代こそ、食事をしたりお酒を飲んだりして腹を割って話しをするなんてことが、今まで以上に重要になっているのかもしれませんね。
そんなことを考えつつ暑気払いにビールを一杯といきたいところです(笑)。
しかし、それにしても暑すぎる日が続きすぎています。皆様、健康にはくれぐれもご留意ください。

またこの場をお借りして、西日本豪雨被害に被災された方々および関係者の皆様のご健康と少しでも早い復興を心からお祈り申し上げます。

関連記事