日経新聞(2019年9月14日付)「ホテルオークラ新装、強気の一泊7万円」という記事に注目しました。
同記事の概略を下記に抜粋すると…、
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ホテルオークラは約4年かけて建て替えた「The Okura Tokyo 」を開業した。
目玉は一泊あたり平均約7万円の最高級ブランド「ヘリテージ」。
旧本館の3倍前後で、国内ホテル勢としては強気な値付けで海外の富裕層を取り込む。
グローバルにみれば、東京のホテル価格が「国際水準」に近づく動きでもある。
米フォーブス誌の2019年版格付けによると、東京の五つ星ホテルは4軒で、ニューヨークの10軒、ロンドンの12軒と比較して少ない。「海外の富裕層の中には安いところに泊まりたくないという人も多い」
(以上)
この記事を読んで、外資系企業に勤務する方々が、よく海外本社から役員が来日する際、彼らが満足する宿泊先を探すのが大変だと言っていたことを思い出しました。
その一方で、エアビーアンドビーなどの民泊市場や格安ホテルの市場も拡大しています。
新興国の中間層の海外旅行の需要は今後も益々大きく成長していくのは確実です。
要するに料金が高いとか安いということばかりに着目するのではなく、サービスの質とコストに関して、国全体として多様なラインナップを持っておくことが大事なことなのだと思います。
本格的な人口減少と少子高齢化時代を迎えて、国内外の幅広い需要(ニーズ)に応えていくことが、日本の生産性向上や観光立国にも繋がっていくでしょうし、現在盛り上がっているラグビーワールドカップや来年の東京オリンピックを今後の経済成長のいい機会にするためにも重要な点ではないでしょうか。
そして私たちは、もっと社会情勢や歴史や文化の多様性について学んでいく必要性があるということも、ラグビーワールドカップ、ジョージア代表の試合において政治的緊張関係のあるロシアの歌をかけてしまった事件(あえて事件と言いたい)で痛感致しました。大会組織委員会の担当者がちょっと取り違えた単純ミスということですが、せっかくの大会を台無しにしてしまいかねない愚かな行為です。
話は飛びますが、先日の東京オリンピックのマラソン日本代表を決めるMGC男子のスタートが2分程遅れたということがありました。その原因は担当者がスタート合図のピストルの充電をし忘れていたとのこと。
大きなプロジェクトを遂行する際に、当然すべてが完璧なんてことはあり得ないのですが、そこだけはミスをしてはダメというところで、大きなミスや不祥事が起きてしまうのが最近の日本社会の傾向のような気がします。
最後に一言、昨今、金融業界でも全く同じようなことが起きていると感じています。
資産運用に関する洞察力やサービスの多様性と奥行きは失われつつあり、本質から遠ざかっていくようなメッセージがマスコミを通じて溢れていると、個人的には感じています。
ホテルオークラが海外富裕層のお客様のニーズに応えて行動を起こしたように、各企業が単純な価格競争に陥らず創意工夫してサービスの質を高めていくことが、これからの日本経済を強くしていく鍵になっていくのだと強く思う今日この頃です。