「ねんきん定期便」の衝撃

2019.05.17(FRI)

毎年、日本年金機構から「ねんきん定期便」が届きますが、
50歳を超えると「将来の年金額」がほぼほぼ明確になってきます。

さて私も51歳、今年の誕生日月に届いたこのハガキの内容を確認したのですが、
「これは何かの間違いではないか?」と思うくらいの衝撃を受けました。
※50歳になった昨年はちゃんと見ていなかったようです(苦笑)。
支払った年金保険料に対して、あまりにも給付額が少ないのです。

厚生年金の場合、本人と会社が折半で年金保険料を支払うわけですが、
ねんきん定期便には「本人負担分」しか記載されていません。
一般的に支払った保険料は10年くらいで元がとれるとされますが、
実際は会社負担分も考慮すると20年で元がとれるというのが真実です。

20歳から60歳まで年金保険料を支払い、65歳から支給され85歳で元がとれる。
「40年間も運用をしてこれ?」と思いますが、これが現在の平均的な状況です。

さらに世代間扶養を前提にしている日本の場合、実際は年齢によって条件に格差が生じ、
日本の人口構成だと若い人ほど損をするようになっているのは周知の事実です。

私の場合、概算で計算をしてみると85歳でも元がとれないことが判明したので、かなりの衝撃でした。
※私の周りの50代の人も同じような衝撃を受けて、年金機構に問い合わせをしようと思っている人もいらっしゃいました。

私も仕事柄、日本の少子高齢化や財政状況から日本の公的年金は厳しいということは、
当然理解をしており、それ相応の危機感を持っておりましたが、
個人的な「ねんきん定期便」に記された数字を見て、この危機は遠い未来のことではなく、
まさに今そこに迫っていることなんだと「ほんとうに心の底から実感」した次第です。

しかし50歳を超えないと、将来の公的年金の金額が明確にならないので
ライフプラン的に手遅れになる人も結構でてくるのではないかと危惧します。


50歳になって送られてくる「ねんきん定期便」を見て愕然とすることのないよう、
特に30代、40代の方々には、長期的かつ計画的に資産を形成していくことを、
強くお薦めしたいと思います(但し正しいやり方で)。

某金融機関リサーチ部門の試算によると、現在の年金制度のままだと、
2050年の日本では85歳世帯の約50%で金融資産がゼロになるそうです。
人生100年時代ということを考えると背筋が寒くなりますね。

この問題は極めて個人のライフプラン上のことではあるのですが、
この将来の個人的な課題に真剣に向き合うことが、
おそらく結果として、日本の財政や治安や経済を救うことにもなるのだろうなと思います。

バリューマネジメントは個人富裕層、法人等の資産管理のサポートだけでなく、
30代、40代のビジネスパーソンの長期資産形成の分野にも強みを持っておりますので、是非ご相談頂ければと存じます。

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