2024年も残すところ約3カ月とちょっとですが、ようやく暑すぎた夏の終わりが見え始め、秋の気配が漂ってきました。天候だけでなく、金融市場においても「不確実性と変動性」が相互に高まり、過去の経験則的なサイクルが当てはまらなくなったと、強く感じさせられた今夏でした。
そしてまた今年は世界的な選挙イヤーですが、最も注目度が高い米大統領選挙が約1か月後の11/5に実施されます。そして日本でも10/27もしくは11/10に衆議院選挙が実施される機運が高まっているようです。こちらの結果も全く予測がつきません。おそらく当面、金融市場にも漠然とした不安がつきまとうでしょう。
願わくばそのような現状を打破すべく、日米の各候補者には「国際情勢や内政の様々な問題に対してどのような見識を持っているのか?」「これから国をどのような方向に導こうとしているのか?」明確なビジョンを示してほしいところですが、両国とも国内外に多くの複雑な問題を抱えており、何か特定のテーマにフォーカスするのも(小泉さんの郵政解散のような・・・)困難な状況のように見えます。
しかしながら、国民生活に直結する経済政策こそが有権者の最大関心事であることは確かだと思います。「特に税金(社会保障含む)について、各候補者がどのようなメッセージを発信するか?」そこが選挙の勝敗を決する最重要ポイントといって差し支えないのではないでしょうか?
米国の政治家ベンジャミン・フランクリンの有名な言葉に「この世に確実なものは何もない。死と税金を除いては。」というものがありますが、人生において死と税金から逃れることは誰にもできません。何なら死んだ後も相続税が待っています。だから税金こそが、有権者の最大公約数的かつ最大関心事といっても過言ではないと思います。日本でも少子高齢化の進展と共に税負担は増すばかりです。国民所得に占める「税金と社会保険の比率」は2023年度ベースで46.8%。いわゆる江戸時代なら農民一揆が起きたとされる五公五民(収穫したコメの5割を年貢でとられる状態)の状況に近づきつつあります。
今回の選挙戦を見るに、米国の共和党トランプ候補は減税路線。民主党のハリス候補は基本的に増税路線。日本の自民党総裁候補9名でみると、高市氏以外は緊縮財政派(増税派)のように見えます。立憲民主党の野田新代表は旧民主党政権下で公約にない消費税増税を行ったように、どちらかと言えば緊縮財政派(増税派)。
ただこの場において個人的に、増税と減税のどちらが良いとか言うつもりはありません。マクロの視点で見ると、企業も家計も経済格差が大きくなりすぎているので、税金が持つ「富の再分配機能」を有効に活用したいと考えるのは自然だろうと思う反面、日本ではその傾向が顕著に見えますが、頑張って仕事をしている人に対して「出る杭は打たれる」がごとく、増税増税で成長のモチベーションを下げてどうするの?と思ったりもします。
選挙イヤーということもあってか、改めて税金について色々考えてみましたが、結局は死と同様に人生で避けられないものなので、会社経営をしている身としては、税金のことは信頼できる税理士さんにお任せするのが何よりで「自分は自分ができることに集中した方がストレスがないよなー」と今更ながら思った次第です。