2026年8月16日付の日経新聞の記事によると、企業がコマーシャルペーパー(CP、短期社債)への投資を急速に増やしており、過去2年で倍増し17年ぶりの高水準とのこと。物価高で実質的に価値が目減りする預金からのシフトが起きていると分析しています。
企業のCP保有残高は3月時点で前年同月比47%増の4兆1683億円。足元のCP金利は3カ月物が年1.2%台で推移しているのに対して、大口の普通預金金利は大手行で年0.4%程度、預入期間が1年間の定期預金も年0.5%程度。金利差が拡大していることで、CPや短期社債等の短期金融市場が、久しぶりに企業の資金の置き場所として人気化しつつあります。
米国とイランの対立によるホルムズ海峡封鎖、また高市政権の積極財政をマーケットが信頼しきれていないことから、足元で円安・金利高の圧力が高まっており、次回の決定会合で日銀が利上げをする公算は高いように見受けられます。
そうすると短期金融市場の金利は一段高となり、投資機会としてさらに魅力を増してくるでしょう。
短期金融市場は、金融機関や事業会社が短期(1年以内)の資金の貸し借りをするマーケットで、個人投資家は直接参入できませんが、投資信託を通じて間接的にアクセスすることができます。
弊社も投資ポートフォリオをお客様に提供する際、資産クラスとして日本の短期金融市場や債券市場はゼロ金利、マイナス金利の時代が続いたことから、投資対象としては死に体と言ってもいいくらいでした。
しかし日本の上場企業の資金シフトを見るに、本当に30年ぶりくらいにこの資産クラスが復活してきたと思います。短期金融市場や国内債券を投資対象とする投資信託の存在が、円ベースでの投資ポートフォリオのボラティリティ抑制に役立つことも期待できます。
金利上昇は住宅ローン金利の上昇による生活コストの負担増につながるネガティブな側面もありますが、資産運用の側面からは、特に長期的に安定的に運用したい投資家にとっては、ポジティブ要素が多いと言えるでしょう。