2026年8月前半に発表された7月米雇用統計で非農業部門雇用者数が予想外の減少となり、早期の利上げ観測が後退。長期金利の低下を好感して株式相場は前月の大幅下落からリバウンドの展開となりました。
加えて米国消費者物価の伸びが鈍化、消費マインドや小売売上高も低下傾向にあることから、利上げへの警戒感が薄れ、特に日米のハイテク株の上昇が顕著でした。月前半は悪材料に目を向けない「いいとこどりの適温マーケット」でした。
しかし実際は米国とイランの交渉は袋小路に入っておりインフレリスクは確実に高まっています。8月後半は、現実として長引く戦争や財政リスクが意識され株式市場の上値を重くしました。AI需要の強さから足元の企業業績は極めて堅調ですが、長引くインフレや戦争からトランプ大統領の支持率は低下しており、11月の米中間選挙に向けて強引なディールを世界に向け展開する可能性も高く、さらなる地政学リスクの高まりが危惧されます。
足元の長期金利の上昇がさらに続く展開になれば、大きく上昇したAI・半導体関連株のさらなる下落(第2波)もあり得ます。またスタグフレーションリスクの高まりで景気敏感株にも逆風が吹き始めています。米小売り大手ウォルマートの直近四半期の既存店売上成長率が6年ぶりの低水準になりました。
日本でも長期金利上昇と円安圧力の強さが顕著となっていますが、今のところ景気は堅調です。資産運用面では、金利上昇で機関投資家の日本国債への買い需要が高まっていることに要注目点です。
【2026年8月の注目ニュース】
8/5 7/30から始まった為替介入は合計12兆円~13兆円(過去最高金額)
8/5 米、小型株にマネー流入(2026年ラッセル2000はS&P500を9%上回るリターン)
8/5 ホルムズ海峡解放について米とイランの合意間近との報道からS&P500 最高値更新
8/6 政府は5日、食料品の消費税を来年4月から2年間1%に下げる方針を閣議決定
8/6 米国内の石油備蓄がガソリン高対策で43年ぶりの低水準に(原油輸出も急減)
8/6 米S&P500社の4-6月決算は、1株利益(EPS)が前年同期比5割増(テック・エネルギー牽引)
8/7 日本の国立大学法人モデルが岐路に(東大も財務基盤脆弱で自立運営困難)
8/7 大手ネット証券4社の4-6月決算は前年同期比2.3倍(信用取引ブームで収入増)
8/8 7日発表の7月米雇用統計は予想に反して2万3000人減少(市場予測8万~9万人増)
8/11 東証プライム上場企業の2026年4-6月純利益は前年同期比68%増
8/13 米7月の消費者物価は前年同月比3.4%上昇(伸びが縮小し利上げ観測後退)
8/13 米で新規ETF設定急増(2026年は1000本以上に達し「レバ型」に集中)
8/13 日本の3月決算上場企業の今期配当は6年連続過去最高の23兆円になる見通し
8/14 日本の新発30年国債利回りが4%台になり、メガバンクが買いの検討に入った
8/14 13日の日経平均は3日続伸し68000円台回復(AI・半導体に資金再び)
8/16 企業のCPや短期社債への投資が急速に増加(3月末時点で前年同月比47%増の4兆1368億円)
8/18 米30年債5.3%台に上昇(日本の長期金利が2.945%まで上昇し波及)19年ぶり高水準
8/18 2026年1-6月、海外のアクティブファンドの日本株買いが急増(約4兆5000億円純増)
8/19 日本のIT/ソフトウェア株に資金回帰(AI代替懸念和らぎNECは半年ぶりの高値圏)
8/20 非上場企業の相続税評価を巡り、国税庁が新ルール案をまとめる(優良企業ほど負担増)
8/21 米投資ファンドLキャピタルがIFA大手ファイナンシャルスタンダードを買収
8/21 財務省と金融庁は2027年度の税制改正で個人向け国債の優遇を盛り込む方針
8/21 米財務省は、国債買入消却「バイバック」を2倍規模に拡大する発表
8/21 ウォルマート株9%急落(5-7月売上が6年ぶり低成長)インフレによる消費低迷の影響
8/22 国内初の未上場株式売買を専業にする証券会社スマートラウンドが年内に事業開始
8/25 日本株式市場でAI・半導体相場に乗り切れず放置されていた中小割安株に資金向かっている
8/26 ドルの価値下落に備える「ディベースメント取引」に再燃の兆し(金や暗号資産が上昇)
8/26 米キャピタルグループのPMノリコ・チェン氏は日本株に多くの投資機会があるとコメント
8/27 全国の17信金が金利上昇による債券含み損拡大で赤字に陥る(前期は5信金)
8/29 ウォーシュFRB議長が利上げ前向き発言で一時1ドル160円台に下落
【世界投資地図(年初来騰落率)】
