経済・金融の重要局面

2026.09.27(SUN)

当ブログ執筆にあたって常に問題意識として持っているのが、実体経済や金融市場の変化が、私たちの家計や仕事にどのような影響を及ぼすかということです。その視点から見ると、今は大変重要な局面だと思っています。

資産運用の面では、コロナショック以降に起きたデフレからインフレへの変化を受け、日本でも「貯蓄から投資」への流れが加速しています。2026年6月末時点で、日本の個人金融資産に占める投資商品の額(株式+投資信託)は679兆円と過去最高額を更新する一方、現金・預金は1132兆円と、金融資産全体(2519兆円)に占める比率は44.9%まで低下しました。

そんな状況下、2026年はインフレの再加速が意識されています。戦争などの地政学リスク・各国の積極財政政策・AIの爆発的拡大が主な理由ですが、これらのインフレ要因はすぐに収まるものではありません。

今月は日米欧の中央銀行がそれぞれ0.25%の利上げを行い、今後の利上げ継続も示唆しました。長期金利が日本で3%台、米国で5%台に乗ってきたのも、インフレ再加速と財政リスクの高まりを示したものです。

インフレ経済はデフレ経済よりも企業業績を後押しする一方で、金利上昇(債券売り)から、金融市場は不安定化する傾向が強くなります。債券利回りと株式益利回りとの比較から、株式に割高感が出てくることで株式市場全体の下落リスクも強まります。

AI・半導体関連企業の好調な企業業績と株高が、様々な問題を覆い隠していますが、その前提が崩れた時のことも資産運用の実務家としては考えておかなければならない時期です。

いずれにせよ、今後どのような展開になろうと、全ての経済主体(家計・企業・政府)で、インフレ再加速への対応は必須。

企業部門では、高金利時代は低金利時代とは異なるビジネス戦略や資金戦略が求められます。その経営戦略の巧拙により、高金利に負けない真に強い企業が生き残り、そうでない企業は淘汰されます。

家計部門でも物価高や住宅ローン上昇などで苦しい人が増えていくことは避けられません。米国では住宅ローンの長期固定金利が7%を超え、住宅市場が停滞し始めており、商業用不動産への貸倒れも増加しています。日本ではまだ金利上昇の影響がそこまで出ていませんが、米国の動きを他山の石と見るべきではありません。

残念ながら、SNSやインターネット上では近視眼的な儲け話が溢れており、今のような重要局面でリスクマネジメント面で真に頼りになる「良質な金融情報」「良質な金融教育サービス」「良質なファイナンシャルアドバイザー」が明らかに不足していると感じています。

当社として、このあたりの領域については、長期の視点で取り組んでいかなければならない社会的課題だと認識しており、これから中小・ベンチャー経営者向け資産運用勉強会の開催等、具体的なアクションを起こしてまいります。

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