2021年6月13日(日)日本経済新聞(朝刊)に掲載されていました「数学に関する特集記事」を興味深く読ませて頂きました。
読んだ方もいらっしゃると思いますが、記事の中から私がいくつか印象に残ったところをご紹介します。
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数学は古代ギリシャの時代から、人々が感じる「美しさ」と切っても切れない関係にあった。例えば、古代ギリシャの数学者ピタゴラスは音の美しさから数学の真理に迫った。ピタゴラスは散歩の最中、鍛冶屋が鉄をたたく音には美しく響き合うものとそうでないものとがあることに気付いた。ピタゴラスが調べると、ハンマーの重さによって音の高さの違いが生じていた。音と音が美しく響き合う時にはハンマーの重さの比が2:1や4:3のような単純な整数比になることがわかった。この発見が音楽の音の高さを整数比で決める「ピタゴラスの音律」の発明につながった(永野数学塾 塾長 永野裕之氏:とてつもない数学より)。
17世紀になると、フランスの哲学者デカルトがx軸とy軸などの座標軸を使い、平面や空間内の点を表す方法を「変数」という概念を生み出す。そのおかげで円以外の曲線を数式で表せるようになった。この曲線から生み出された様々な美しい建築物の中でも、特に有名なのがスペインを代表する建築家アントニ・ガウディの作品だ。その設計は緻密な数学的計算に基づく。ガウディは「美しい形は構造的に安定している。構造は自然から学ばなければならない」という考えの持ち主だった。
最後に前述の永野裕之さんの以下の言葉。
「極めて困難な道のりを経て辿り着いた簡潔な結論に、数学者は美しさを感じる。」
この特集記事を見て、私は「資産運用は科学でもあり、芸術でもある」と言われることを思い起こしました。ガウディではありませんが、美しいポートフォリオは原理原則をベースに構造的に安定しています。しかしそれは机上の空論ではなく、実践からの学びによって形成されていかなければなりません。実践には困難が伴い、それを経て辿り着いたシンプルなポートフォリオこそが真の価値を生み出していくのだと私は考えます。
日本語で「美しさ」という言葉を使うとなぜかナルシスト的な感じもするので、「美しさ=真理」という言葉で表してもいいかもしれません。
さらに「真理」も堅い表現なので「ほんとうのこと」でもいいかなと…(笑)。
「ほんとうに良い資産運用とは何か?」
この特集記事を読んで、私もそれを探求していきたいと改めて思いました。