マーケットレビュー(2018年6月)

2018.07.06(FRI)

さて今年も半分終わりましたが、皆さんにとって2018年前半はいかがでしたか?

社会経済学者の故ピーター・ドラッカー氏は、夏に必ず1週間ほどの時間を確保して、1年間の振り返りと今後の計画を立てたそうです。

私たちも1週間は難しくても、半年に一度、丸一日くらいを使って、過去半年を振り返り、今後半年の計画をブラッシュアップするのもいいかもしれませんね。


それでは、毎月恒例のマーケットレビューを行います。以下ご参照ください!



マーケットコメント】

さて2018年前半の金融市場を振り返ると、米国株式市場は比較的堅調でしたが、それ以外の株式市場は低迷しました。米国の金利上昇によって、世界的に金利上昇圧力がかかり、債券価格が下落。為替市場でも総じて円高が進捗しました。

資産運用上は、大変厳しい半年であったと言えます。」

現時点においても、世界経済・金融市場は年初の楽観的見通しが失われており、悲観に変わったとまでは言いませんが、「米国の金利上昇」と「世界貿易戦争」の2つの事柄が重しとなり、先行きの不透明感が増しています。

特に昨年好調だった新興国の経済・金融市場が、かなり混乱してきており、足元堅調な先進国経済に波及する懸念も拡がっています。

先月の経済・金融の話題も、貿易戦争一色と言っても過言ではありませんでした。(政治では初の米中首脳会談、スポーツの世界ではサッカーW杯が話題でしたが…)

6月は貿易戦争の一部が現実化する中で、中国の株式市場(上海総合指数)が月間で8%も下落しました。また新興国通貨が直近で大きく売られ、弊社のお客様のポートフォリオにおいても新興国のアセットクラスに影響が出ております。

しかしながら長期的な視点に立つなら、今後の世界経済の成長を牽引していくのは、やはりアジア・アフリカ・東欧等の新興国経済圏だと思います。先進国の企業も新興国のマーケットでいかに商売をするかが、今後の利益成長の重要ポイントと言っても過言ではありません。

よって私たち長期投資家は「新興国で起きている足元の混乱」と「そこで起きつつある様々なイノベーションや投資機会」について、冷静にしっかり分けて考えておくことが大切です。

トランプ大統領が仕掛けている貿易戦争の帰結がどうなるかは、まだ誰にもわかりませんが、あまりやりすぎると米国企業がこれらの成長地域から締め出されるリスクも高まります。

当然そのことをトランプ大統領も理解しているでしょうが、彼は本当にポーカーゲームの類のものが大好きなのでしょう。なかなか止めようとしません。

しかし勝負が長引けば長引くほど、米国を含むグローバル企業も経営上の様々な意思決定を留保し、様々な投資活動が停滞することになります。その結果、米国経済が停滞すると、彼の支持率も大きく下がり、11月の中間選挙で波乱が起きる可能性も十分にあり得ます。

すでに我慢できなくなって、新たな意思決定をした米国企業も出てきました。先月、米国の有名バイクメーカーのハーレー・ダビッドソンが、欧州への輸出にかかる高関税を嫌い、一部の生産拠点を欧州に移すと発表したことについては、皆さんも周知のところだと思います。

それをトランプ大統領が「根性がない!!」などと罵倒しても始まりません。早くこのチキンレースに折り合いをつけなければ、最終的には、すべてブーメランとなって自分自身にかえってくるのですから…。

それでも彼が何をするのか予測不能ということで、経済や金融の先行きに対する不透明感が増しており、なかなか動けなくなっているという状況が、まさに今です。

ただ個人的には、現時点で堅調さを保っている世界経済や企業業績を背景に、この政治的なチキンレースの折り合いがつくことで、年後半に向けてマーケットは徐々に落ち着きを取り戻すことを期待しています。

また前回のブログ、「テクノロジーと格差問題」でも書きましたが、不透明感が漂う中でも、新たな投資機会が創出されつつある世界経済の「楽観的な側面」も見逃してはなりません。

このように常に逆の側面も見ておこうという感覚は、長期投資を継続していくうえでとても重要です。その感覚がなければ、相場の雰囲気に一喜一憂して売買を繰り返す等、合理的でない投資行動に陥るリスクがあると思うからです。
【金融市場の動き】

(6月末の長期金利) 
米国が0.25%利上げにも関わらず、世界貿易戦争を危惧し長期金利は上昇せず。
日本10年国債  0.03%     前月比 変わらず 昨年末比 -0.02
米国10年国債  2.86%     前月比 変わらず 昨年末比 +0.46
ドイツ10年国債  0.34%    
前月比-0.04%  昨年末比 -0.13
英国10年国債  1.28%     前月比+0.06%   昨年末比 +0.10
  

(6月末の先進国株式)
先進国では企業業績の増益率が高い米国だけが年初比で上昇。
東証株価指数  1730.89    前月比-0.9%  昨年末比-4.8
米国S&P500    2718.37   前月比+0.5%  昨年末比+1.7
米国ナスダック   7510.31    前月比+0.9%  昨年末比+8.8
ドイツDAX    12306.00  前月比-2.4%  昨年末比-4.7
英国FTSE100  7636.93   前月比-0.5%   昨年末比-0.7

  

(6月末の新興国株式) 

貿易戦争の影響で中国が、内政の混乱でブラジルが急落。
中国上海総合    2847.42   前月比-8.0%   昨年末比-13.9
インドSENSEX   35423.48  前月比+0.3%  昨年末比+4.0
ブラジルボベスパ  72762.51  前月比-5.2%    昨年末比-4.8
ロシアRTS     1154.16   前月比-0.8%   昨年末比 変わらず
 (6月末の商品市況) 
イラン問題で原油価格急騰。米利上げで金下落。

WTI原油先物(1バレル) 74.15ドル   前月比+10.1% 昨年末比+11.0

NY金先物(1オンス)   1254.16ドル 前月比-3.5% 昨年末比-4.0
(6月末の為替市場) ※ +は円安 -は円高
米国利上げ、欧州量的緩和終了のアナウンスで円安、新興国通貨は総じて下落。
米ドル/円  110.71円   前月比+1.7%  昨年末比-1.8
ユーロ/円  129.27円   前月比+1.5%  昨年末比-4.4
英ポンド/円 146.10円   前月比+1.0%  昨年末比-4.0
豪ドル/円   81.95円       前月比-0.5%  昨年末比-6.8

以上

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