6月27日付ヤフーサイトに、気になる記事が掲載されておりましたのでご紹介します。
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インド全域に「高速インターネット」の衝撃、7兆円の経済効果をもたらす
(以下記事から一部抜粋)
インドにおいて、2019年3月までにすべての村落に高速ブロードバンドを提供する一大プロジェクト「バーラトネット」が推進されている。これによってブロードバンドユーザーが数億人単位で激増し、国民の生活水準が向上すると期待されている。13億の人口を有するIT大国インドが、その広大な国土にITを普及させる本気の取り組みとは・・・・。
さて詳細の内容については省略しますが「今後の世界経済の成長のかたち」を予感させる記事だと、私は思いました。
1989年に東西冷戦が終結し、1990年代中頃から後半にインターネット時代が到来。経済のグローバル化は加速し、製造業のサプライチェーンは効率的な進化を遂げ、また金融面ではタックスヘイブンを活用した大企業・富裕層の節税(脱税含む)が横行しました。
このような経済・金融のグローバル化の結果、その恩恵を受けた人とそうでない人が出てきてしまい、世界中で個人の経済格差が拡大しました。
その反動によって政治の世界では「反グローバリズム」が台頭。
米国でトランプ大統領が誕生したのは、その象徴と言えるでしょう。
そのトランプ大統領ですが、今まさに世界中に貿易戦争を仕掛けています。米国に雇用を取り戻し、強いアメリカを復活させるためかもしれませんが、実際に経済のグローバル化の恩恵を最も受けてきたのは米国企業です。よって彼の反グローバリズム行動は、米国経済に全くメリットはなく、逆に弱いアメリカにつながっていくことになりかねません。
よって、この勝者なきチキンレース(貿易戦争)が、長期間続くことは想定しづらいところではあります(誰にもメリットはないのですから・・・・)。
さて話題を戻してインドです。
インドは豊富な人口を有し、また優秀なエリート層も存在しますが、貧富の格差がとても大きい国(社会)です。また先進国と比較すると、道路や鉄道や通信のインフラもまだまだ充実しておらず、それが経済発展や社会の安定の妨げになっています。
そうした状況下における、今回の「インド全土にわたる高速ブロードバンド計画」。
このプロジェクトは、インド国民の情報と教育の平等化と高度化に寄与し、格差縮小と経済発展を両立させるきっかけになる可能性を秘めています。
テクノロジーの発展が助長した格差拡大ですが、個人的には、今度はさらに進化したテクノロジーとその適用範囲の拡大によって、逆に格差を縮小させていく段階に入ってくるのではないかと期待したいところです。
今後は同様のケースが他の国地域でも起こり、それが新たに世界経済の成長エンジンになっていくのではないでしょうか。そして世界経済のイノベーションも米国(シリコンバレー)の一極集中から、世界の複数のエリアから起きる分散の時代(多極化と言ってもよい)になっていくことでしょう。
そしてこのような変化の中、最近、様々な社会的問題の解決に挑戦する意志を持った新しい会社が出てきていると感じます。
それはリーマンショック後、世界各国の財政が悪化し、政府部門が社会的問題の解決を積極的に取り組むことが困難になる中、民間企業が新たなテクノロジーを武器に挑戦していこうといく潮流に他なりません。
世界経済は新たなステージに突入しつつあり、そこに新たな投資機会の芽が育ちつつあります。「この流れが10年後、20年後の世界をどう変えていくのか?」
長期投資の視点から見ても、大変興味深く、頼もしく感じる今日この頃です。