納得感

2018.06.22(FRI)

長期投資を行うということは、自己資産の一部が「世界経済の成長(および変動)」や「様々な国際情勢」と直接的につながり、その影響を長期間にわたって受け続けることを意味します。

世界経済を10年単位で見ると「人口増大」や「技術革新」を背景に、高い確率で成長することが予想されますが、短期的には悪化(鈍化)する時期もあります。
10年投資をすると、少なくとも2回くらいは、それなりの景気後退期に遭遇するでしょうし、そういう局面では当然、株式等のリスク資産の価格もそれなりに下落します。
残念ながら、そんな時に慌てたり、不安が高まったりして、将来的に価値を生み出すであろう「良質な投資ポートフォリオ」を手離してしまう(売却する)人がいます。
長期投資の脱落者がなるべく出ないよう、難しい時期も丁寧な情報提供に努め、しっかりサポートをしていくのがファイナンシャルアドバイザーの役目ですが、極度に不安が高まる局面では、どうしても理論より感情が先立ち、解ってもらえないケースもあります。
「まさしく10年前のリーマンショックの時がそうでした。」
当時、私が担当するお客様の一部が、厳しいマーケット環境に我慢できず、底値近辺もしくは、その後に元本が回復した時点で売却をしてしまいました。
私はそれを止めることができませんでした。あそこで我慢してポートフォリオを維持していたら、現在どれだけの経済効果があっただろうかと思うと、今でも後悔の念が残ります。
「なぜそうなってしまったのか?」
「それらのお客様がリスクに弱いタイプだったからなのでしょうか?」
正直、実際そういう側面もあろうかと思います。しかしそれ以上に思うのが、実はほんとうは、それらのお客様は、私が提案した投資ポートフォリオへの信頼、もう少し言うならば「真の納得感」が心の奥底で足りていなかったのだと思います。
それはファイナンシャルアドバイザーとして、私が未熟だったからに他ならないと思っています。
この経験を経て、私がお客様の長期投資をサポートする際に、最も重点を置くのが「お客様の納得感」です。
いくら良質な投資ポートフォリオでも、世界の政治・経済・金融市場の変動から影響を受けないでいることはできません。そこでお客様が真に納得して投資していなければ、変動に惑わされ、誤った意思決定をしてしまう可能性が高くなってしまうのです。
その点を理解、共有したうえで、お客様の人生設計、価値観、性格、家族構成、財務状況、リスク許容度等を十分に考慮して「納得できるかたちで長期投資に臨める体制」をつくれるならば、これからも何度となく訪れるであろうマーケットの変動を乗り越え、長期投資を成功させることができるでしょう。
そしてその運用実績に加え「長期投資のプロセスで培われるマインド」が、必ず皆さんの豊かな人生の一助になっていくであろうと私は思います。
もちろん長期投資は100%の成功を保障するものではありませんし、下落局面についても受け入れなければならないわけではありますが、一方で長期の複利効果を活用することで、資産価値を飛躍的に高める可能性も秘めています。


その事実と可能性に対する納得感を持てるかどうか?
また昨今、ビッドコインや新規公開株の一部にみられる「投機的な短期志向」とは真逆の「ライフスタイルも含めた長期志向を持つことへの納得感」があるかどうか?
皆さんにも、今一度考えて頂きたいと思う今日この頃です。

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