2024年2月の金融経済動向(中浜の視点)

2024.03.07(THU)

国内における2月の最大ニュースは、やはり日経平均株価が34年ぶりに最高値を更新したことでしょう。海外では米国半導体大手エヌビディアが市場予想を大きく超える好決算を発表、AIブームが世界の株式市場を力強く牽引しています。対照的にMSCI全世界株式指数から中国66銘柄が除かれたニュースにも注目しました。先月のレビューで「2024年はグレート・リバランスの年になる」というお話をしましたが、足元のスピードが急過ぎる感じもします。米著名投資家ウォーレンバフェットは「米株高騰はカジノ的」と警鐘を鳴らしています。

株価は常に本質的な価値から乖離し上下に変動しますが、私たちのメッセージは上昇相場でも下落相場でも変わりません。「短期変動ではなく、長期的な企業価値の成長にフォーカスしよう」というものです。しかし同時に、それは「言うは易く行うは難し」であることも認識しておかなければなりません。企業の本質的価値を正しく継続的にモニタリングできるのは、一部の優れた運用チーム(投資信託)に限定されると、私たちは考えています。

現在は、短期投資家が上昇相場に乗り遅れまいと焦って買いを入れたくなるような、逆に長期投資家が利益確定の衝動に駆られるような投資環境のように見えます。しかし価値を判断する尺度を持たない投資家は、短期志向であれ長期志向であれ、このような局面で誤った意思決定を下す可能性が高いと言えます。

優秀なアクティブファンドの運用チームは、企業の本質的価値から株価が大きく上に乖離したら、一部もしくは全部を売却するでしょうし、逆に下に乖離したら投資機会と判断して買いをいれるでしょう。そのようなポートフォリオ調整機能を内包するアクティブファンドへの長期投資は、誤った投資判断で資産運用を失敗するリスクから、皆さんを確実に遠ざけてくれるでしょう。

話は変わりますが、最近「SNSを使った投資詐欺事件」が急激に増加しています。このような投資詐欺事件はおおむね株式市場が好調な時に増加します。短期的な儲け話は、それだけ多くの人にとって魅力的なのだと思います。

私自身は短期で大きく儲けるようなことは色々な意味で怖い気がします。それよりも自分の仕事を日々コツコツ頑張りながら、投資は長期的な視点で手堅くやりたいと考えます。私と同じように考えている人は実際は多いように感じますが、そんなささやかなニーズに応えてくれる資産運用サービスは案外少なく、この業界・・・、とても需要と供給のバランスが悪いように見えます。

残念ながら、バリューマネジメントの成長(活躍)の余地はまだまだありそうです(笑)。

【2024年2月の注目ニュースと金融市場の動き】

2/1 FRBは4会合連続で政策金利を据え置き(5.25%-5.5%)
2/2 金の国際調査機関によると、昨年中国の金の購入量が前年比3割増加
2/2 デンマークの製薬大手ノボノルディスクの時価総額が5,000億ドルを超え欧州最大となる
2/3 1月米雇用統計は35万人増加、市場予想の18万人を大幅に超え米労働市場の強さを示す
2/3 GPIF、2023年の運用収益は34兆円と過去最高、アクティブ運用を強化する方向
2/3 米GAFAMの10-12月期は10四半期ぶりに5社増収増益(売上12%増加、純利益56%増加)
2/4 米国中小銀行の経営不安が再び(金利の高止まりや商業用不動産向け融資の焦げ付き懸念)
2/6 米国企業の時価総額が世界全体の5割に(20年ぶりの水準)、中国は10年で半減(1割)
2/8 中国の1月消費者物価は前年比0.8%下落(4カ月連続の低下で14年ぶりの下落率)
2/8 日本の電子部品大手8社の4-12月期は7社が減益(生成AI以外のIT・EV関連は低調)
2/9 日銀の内田副総裁がマイナス金利解除を示唆するも、その後の急速な利上げを否定
2/9 米S&P500が初の5000突破(時価1000億ドル以上の94社は今年1割上昇、その他は横這い)
2/14 米国とメキシコの国境地帯で拘束された中国人の不法移民が急増
2/15 日本株相場を半導体関連株の急騰(半導体主要銘柄の時価総額の占有率は過去20年で最大)
2/15 世界企業10-12月業績、17業種中13業種が増益(8割)
2/15 MSCIは全世界株式指数から中国66銘柄(8%)を除外することを決定
2/15 日本の10-12月期GDPは2期連続マイナス(年率換算0.4%減少)
2/16 米国の利下げ観測の後退で新興国通貨安が加速(新興国通貨指数は3カ月半ぶりの低水準)
2/16 特集記事:日本の労働分配率は40%台で推移し、50%台の欧米と比較して低い
2/17 日本の上場企業の今期純利益予想は43.5兆円となり3期連続最高益(値上げや円安が寄与)
2/17 米国の有力ファンドが開示した昨年末時点の保有銘柄は「テック以外への分散」が顕著
2/17 内閣府は今年度名目GDPを前年比5.5%増の597兆円と予測
2/22 特集記事:1982年当時のS&P500、PBR1倍割れが50%(株式の死)
2/23 エヌビディアの決算(2/21)は予想を上回る増収増益(売上高で世界一に)
2/23 日経平均株価は34年ぶりに最高値を更新(2/22)
2/23 米投資家ウォーレンバフェットは株主への手紙で「米株高騰はカジノ的」と警鐘を鳴らす
2/23 キャピタルCEO「日本企業の変化は本物、業種でなく経営者を見る、債券投資は魅力的」
2/27 エヌビディア相場で一握りのAI関連銘柄に資金が集中
2/27 日本の1月消費者物価指数は前年同月比+2.0%と3カ月連続で伸びが縮小
2/29 特集記事:ビットコイン時価総額は再び1兆ドルを回復(北朝鮮・ロシアの制裁の抜け道に)

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