6/12にスペースXがナスダックに上場しました。初日は公募価格135ドルを約2割上回る水準で始まり、時価総額は約2兆ドルとなりました。その後、17日にも株価が急上昇して時価総額は約3兆ドルに。この時点でマイクロソフトを超え米国4位(=世界4位)のビッグカンパニーとなりました。
「AI×宇宙」という壮大な物語に、世界の投資家のマネーが引き寄せられています。これは過去のバブルとは異なる物語なのか?それとも将来振り返るとバブルだったとなるのか?それは誰にもわかりませんが、お客様の人生の大切な資金を預かり、専門家として資産運用をサポートする当社としては、未知への遭遇に賭け、宇宙に向かって飛びましょう的な夢を語り、安易な投資をお薦めすることはできません。
一方で、AIや宇宙産業が今後の世界経済の成長のカギになってくるのも間違いないでしょうから、新たな現実にアジャストして、実体経済・企業業績・株価水準をしっかり見定めながら、資産配分や銘柄選択を見極めていきたいと考えます。
ところで今回のAIブームで最も恩恵を受けた日本企業は半導体大手のキオクシアでしょう。6/19にキオクシアの株価は10万円を超え、時価総額は59兆円で国内トップに立ちました。2024年12月18日の上場時、投資家からの人気もなく、初値は公募価格を割り込み1440円(時価総額は約7,760億円)だったと考えると、1年半後に株価が77倍になるとは誰も想像しなかったでしょう。正に夢のようなサクセスストーリーです。
キオクシアがまさに時価総額60 兆円に迫った日に、実は東証グロース250指数「日本の未来を担ってほしいと期待したい中小型250社の時価加重平均指数」は、5カ月ぶりの安値水準に下落しました。投資マネーはAIや宇宙などの壮大なテーマに関連する大型株式に集中して、業績が良くてもテーマから外れた株式(特に中小型株)は見向きもされない状況です。そしてその動きを、時価加重平均のインデックスファンドやAI・宇宙のテーマ型ファンドが助長しています。
スモールエクセレントカンパニーの株価も低迷している今、こちらの方にも将来の投資機会があるという意識は持っておきたいところです。
話は戻ってスペースXですが、イーロンマスク氏の個人資産は1兆4000億ドルとなり、人類史上初めて個人の資産が1兆ドルを超えました。とてつもない金額です。さらにスペースXでは役員や社員だけでなく溶接工や食堂スタッフを含む4,400人以上が保有株を持っており、皆さん評価額で100万ドル(約1.6億円)を超える資産家となったようです。これはこれで悪くない話だと思います。
しかし、このようなニュースを目の当たりにすると、地道にコツコツ働き成果を積み上げて給料を上げていったり、地道に時間をかけて資産形成をしたりすることが、非効率で馬鹿らしいと感じる人も出てくるでしょう。そして、その行きつく先は、短期志向で利己主義的な価値観ではないでしょうか。「今だけ・金だけ・自分だけ」という三だけ主義が、米国発でグローバルに蔓延しつつあるようにも感じます。自分の人生をAIや株に委ね、三だけ主義を実現しても「ほんとうの豊かさ」は手に入らないと思うのですが・・・。
大学の卒論論文や就職のエントリーシートもAIに任せておけばいいし、どうして自分で考えるような面倒なことをしなくてはならないの?と思う若者も多くなってきているようです。仕事でも「自分の頭で考えること」に時間をかけることは、非効率で意味がないというのがビジネスの主流派になっているように見えます。
私は基本的に「考えることが楽しい派」なので、AIに「色々と考える時間」を奪われたくないのですが、子供の頃の夏休みの宿題や、大学の卒業論文や就活の履歴書(今でいうエントリーシート的な)等々、もしその当時にAIがあれば絶対使っていると思います(笑)。
要するに「主体的に考える」と「他者から考えるを強要される」ことの違いで、考えることの意味も変わってくるのですかね?良いか悪いかはわかりませんが、私のブログはAIの手を借りたことが一度もありませんし、あとコツコツ時間をかけて積み上げる感覚とかも、個人的には好きだったりするのですが…、皆さんはどうですか?私は少し変わっているのでしょうか?
AIや株を活用して仕事や生活を便利にしていくことは素晴らしい進歩ですが、それに自分の人生を決められるとなると話は別です。そんなことを考えつつ、自分の人生だけは、何とか自分として主体的にいきたいなと思う今日この頃ですが、ある日ネットを見ていたら、日本の芸能人?「メンタリストDaiGo」が「SpaceXの株買っただけで人生あがったと騒いでる人たちがいますがどう思いますか?」という質問に答えていました。
DaiGoの回答→「お安い人生だな。」
「メンタリストDaiGoなかなかいいこと言うじゃない!!」と思った次第です。