IFA中浜による 長期投資の視点
-
2024.10.23(WED)
一貫性と「選択のパラドックス」
長期的に運用実績を出すために何が一番大切かと問われたら、個人的には「一貫性」かなと思います。 長期投資における一貫性は、その名のとおり「長期の視点」で投資をすることですが、予期せぬニュースやマーケットの変動で、残念ながら、多くの人はすぐに「短期の視点」に変わってしまいます。 さらに言えば、資産運用を学べば学ぶほど、情報が多くなれば多くなるほど、この一貫性を保つのが難しくなります。これは巷でよく知ら […]
-
2024.10.03(THU)
2024年9月の金融経済動向(中浜の視点)
2024年9月の世界金融市場を振り返ると、前半は7月、8月の悪い流れを引きずり不安定な相場展開となりました。特に9/3にAI半導体大手エヌビディアの株価が9.5%下落したことは、世界の株式市場にも大きなショックを与えました。1日で2380億ドル(約41兆円)の時価総額減少は、米国史上過去最大だったようです。 AI黎明期の大手テック企業の巨額投資が「将来しっかり回収できるのか?」そんな疑念も高まる中 […]
-
2024.09.25(WED)
人生で避けられないもの
2024年も残すところ約3カ月とちょっとですが、ようやく暑すぎた夏の終わりが見え始め、秋の気配が漂ってきました。天候だけでなく、金融市場においても「不確実性と変動性」が相互に高まり、過去の経験則的なサイクルが当てはまらなくなったと、強く感じさせられた今夏でした。 そしてまた今年は世界的な選挙イヤーですが、最も注目度が高い米大統領選挙が約1か月後の11/5に実施されます。そして日本でも10/27もし […]
-
2024.09.08(SUN)
2024年8月の金融経済動向(中浜の視点)
先月のブログで、私は7/13のトランプ氏銃撃事件を機にマーケットの潮目は大きく変わったと言及しました。その後も7/31の日銀の利上げ(+植田総裁のタカ派発言)と8/2の米国7月雇用統計の不調を受け、世界株式市場の下落トレンドは継続。その中で最も影響を受けたのは、日本株式と通貨円と言えるでしょう。 8/2の日経平均は2216円安(歴代2位の下げ幅)、週明け8/5は4451円安(歴代1位の下げ幅で31 […]
-
2024.08.26(MON)
日米比較から改めて思うこと
2024年8月23日付の日経新聞によると、米国の家計全体の金融所得(2024年4-6月の利子・配当合計の年率換算)が、過去最高の3.7兆ドル(約540兆円)に達したとのこと。 これは日本の家計の金融所得の40倍という大きな金額になるそうで、米国の強い個人消費の要因の一つにもなっています。先日、日本の名目GDPが初めて600兆円の大台に達したという嬉しいニュースを聞いたばかりですが、日本全体(政府部 […]
-
2024.08.05(MON)
2024年7月の金融経済動向(中浜の視点)
本日(8/5)、日経平均株価は前週末比4451円(12%)安の3万1458円となり、1987年10月20日(ブラックマンデー)の3836円安を超え、過去最大の下落幅となりました。先週末も2216円安と大きく下げていましたので、2日合計の下げ幅は6667円にものぼります。為替市場でも円高が急速に進み、一時1ドル=141円台まで急伸、「株売り・円買い」の動きが急加速しています。 今まさに、株式市場では […]
-
2024.07.26(FRI)
レジリエンス
昨日(2024年7月25日)、日経平均株価は前日比1285円34銭安の3万7869円51銭と急落しました。前日のNY市場で大型テック株を中心にナスダック市場が3%超下落したこと、加えて為替市場で日銀の利上げが意識され152円台まで急速な円高が進行したことが主な要因です(直近で円は対ドルで10円ほど円高に)。 今年上半期、大型テックのマグニフィセント7が相場全体を牽引し、米国を中心に世界株式市場も上 […]
-
2024.07.08(MON)
2024年6月の金融経済動向(中浜の視点)
早いもので今年も半分が経過しました。上半期を振り返ると日本では元旦から能登半島地震が発生、翌2日には日航機が能登地震の救援に向かう海上保安庁の航空機と衝突し、大きな悲しみと不安に包まれた年明けとなりました。 世界的には80以上の国地域で国政レベルの選挙がある「選挙イヤー」ですが、米国を筆頭に世界中で自国主義的な政党が勢いを増しています。ポピュリズムを背景とした「政治リスクと財政リスク」の影響はまだ […]
-
2024.06.24(MON)
リスク感覚の重要性
本日は6月19日付の日経記事「農中、外債10兆円売却へ(今期の赤字1.5兆円に)」に注目しながら、「資産運用におけるリスク感覚の重要性」について、深堀りして考えてみたいと思います。 農中の正式名称は農林中央金庫、全国の農協(JA)やその他多くの関連団体から資金を預かる巨大金融機関です(総資産は約100兆円)。そして総資産の半分超の56.3兆円を有価証券で運用しています(貸出比率は20%以下)。メガ […]
-
2024.06.03(MON)
2024年5月の金融経済動向(中浜の視点)
5月は主に1-3月期の企業業績が発表される時期ですが、米国S&P500のEPS(一株当たり利益)は前年同期比で5%増加しました。事前の予想は3%の増加でしたから、強めの数字が出てきた印象です。牽引したのはやはり大手IT企業。その中でも突出していたのはAI半導体のエヌビディアです。売上は前年同期比で3.6倍、純利益は7.3倍と市場予想を大きく上回り、米国経済のソフトランディング期待と共に米国 […]