IFA中浜による 長期投資の視点
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2024.07.26(FRI)
レジリエンス
昨日(2024年7月25日)、日経平均株価は前日比1285円34銭安の3万7869円51銭と急落しました。前日のNY市場で大型テック株を中心にナスダック市場が3%超下落したこと、加えて為替市場で日銀の利上げが意識され152円台まで急速な円高が進行したことが主な要因です(直近で円は対ドルで10円ほど円高に)。 今年上半期、大型テックのマグニフィセント7が相場全体を牽引し、米国を中心に世界株式市場も上 […]
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2024.07.08(MON)
2024年6月の金融経済動向(中浜の視点)
早いもので今年も半分が経過しました。上半期を振り返ると日本では元旦から能登半島地震が発生、翌2日には日航機が能登地震の救援に向かう海上保安庁の航空機と衝突し、大きな悲しみと不安に包まれた年明けとなりました。 世界的には80以上の国地域で国政レベルの選挙がある「選挙イヤー」ですが、米国を筆頭に世界中で自国主義的な政党が勢いを増しています。ポピュリズムを背景とした「政治リスクと財政リスク」の影響はまだ […]
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2024.06.24(MON)
リスク感覚の重要性
本日は6月19日付の日経記事「農中、外債10兆円売却へ(今期の赤字1.5兆円に)」に注目しながら、「資産運用におけるリスク感覚の重要性」について、深堀りして考えてみたいと思います。 農中の正式名称は農林中央金庫、全国の農協(JA)やその他多くの関連団体から資金を預かる巨大金融機関です(総資産は約100兆円)。そして総資産の半分超の56.3兆円を有価証券で運用しています(貸出比率は20%以下)。メガ […]
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2024.06.03(MON)
2024年5月の金融経済動向(中浜の視点)
5月は主に1-3月期の企業業績が発表される時期ですが、米国S&P500のEPS(一株当たり利益)は前年同期比で5%増加しました。事前の予想は3%の増加でしたから、強めの数字が出てきた印象です。牽引したのはやはり大手IT企業。その中でも突出していたのはAI半導体のエヌビディアです。売上は前年同期比で3.6倍、純利益は7.3倍と市場予想を大きく上回り、米国経済のソフトランディング期待と共に米国 […]
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2024.05.26(SUN)
人口減少に対する健全な危機感
バリューマネジメントは新たな事業領域として、今年から中小企業向けの確定拠出年金(DC)の導入コンサルティングを始めました。そのメニューの重要なパーツとして、従業員向けに「DC制度や投資に関する基礎知識」をお伝えしていく講習会があります。 その講習会で私たちは、まず最初に「なぜ皆さんの会社の社長さんは、私的年金であるDC制度の導入を決断されたのか?」その社会的・経済的な背景についてお伝えしていきたい […]
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2024.05.08(WED)
2024年4月の金融経済動向(中浜の視点)
年初から「マグニフィセント7」を中心にAI・半導体関連企業に投資資金が一極集中するかたちで、世界の株式指数は上昇していました。しかし一転して4月は調整局面に入りました。 主な要因は粘着質なインフレによって米国長期金利が上昇したこと。年初は「年6回の利下げ」が市場コンセンサスでしたが、足元では年1回にまで下方修正されています。米国10年国債は再び4%台後半にまで上昇し、PER20倍超(=株式益利回り […]
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2024.04.24(WED)
木を見てから森を見る
「木を見て森を見ず」これは物事の細部(木)にとらわれて、全体(森)が見えていない状況を表す有名な格言です。私も仕事柄、物事を俯瞰して見ることを意識して「木を見て森を見ず」の状態に陥らないよう気をつけています。 しかし一方で、この格言は「木を見なくていい」と言っているわけではありません。残念ながら21世紀に入ってからは「森を見て木を見ない企業群」が世界経済を独占しつつあります。インターネット上のビッ […]
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2024.04.08(MON)
2024年3月の金融経済動向(中浜の視点)
2024年3月の最大注目点は日米欧の金融政策決定会合でした。特に日本で「17年ぶりの利上げがあるか否か?」「あった場合に世界の金融市場に与える影響は?」この2点はグローバル投資家の関心事だったと思います。しかしながら事前に3月利上げ(マイナス金利解除)が日経新聞等で報道され(リーク?)、当日の利上げ決定時に大きなサプライズはありませんでした。 為替市場では大きく円高に振れることも危惧されていました […]
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2024.03.24(SUN)
バランスや常識の重要性
ロサンゼルス・ドジャース大谷選手の元通訳、水原一平氏の違法賭博のニュースが世間を騒がせています。「何がほんとうなのか?」まだ真実はわかりませんが、野球ファンの私としては、残念すぎる悲しすぎるニュースです。一方ファイナンシャルアドバイザーとしては、不謹慎ながら、全く別の視点でこの事件を観ています。 最悪シナリオとしては、野球選手としての大谷さんの経済価値が、水原氏の違法賭博で棄損される事態が考えられ […]
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2024.03.07(THU)
2024年2月の金融経済動向(中浜の視点)
国内における2月の最大ニュースは、やはり日経平均株価が34年ぶりに最高値を更新したことでしょう。海外では米国半導体大手エヌビディアが市場予想を大きく超える好決算を発表、AIブームが世界の株式市場を力強く牽引しています。対照的にMSCI全世界株式指数から中国66銘柄が除かれたニュースにも注目しました。先月のレビューで「2024年はグレート・リバランスの年になる」というお話をしましたが、足元のスピード […]